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その信念は復讐のためか?国のためか?『007/慰めの報酬』

 

昨日の『カジノ・ロワイヤル』に続き、今日は『007/慰めの報酬』です。

 

『慰めの報酬』は前作『カジノ・ロワイヤル』のからストーリーが続いています。

前作のラストで、愛した女性ヴェスパーを喪ったボンド。

失望、怒り、悲しみ……そんな複雑な感情を胸にしまい、任務を続けるボンドでしたが……。

 

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結局のところ「任務」だと割り切れていないボンドがここにいるんですよね。

そう、クレイグ版ボンドは非常に「人間味のある」ボンドだと思います。

任務と言いながら個人的感情を捨てきれていない部分が見て取れると言いますか。

 

それは今作のボンドガールの1人であるカミーユの存在も大きく影響しているかと。

 

カミーユは親を殺され、復讐のために敵へと近づく情報部員です。

初めこそお互いに警戒し合う仲ですが、ボンドも感情を吐露することで2人は同じ目的に向かって動き出します。

 

それは任務でもあり、復讐でもあり……。

 

敵からも味方からも嵌められ追われ、無関係の知人すら巻き込んで亡くし、それでも陰謀を止めるため(あるいは復讐するため)奔走する2人。

お互いに悲しみを背負いつつ歩いていく2人にの姿は、単なる「スパイアクション映画」では片付けられない複雑な感情を観る者に与えてきます。

 

 

そういう点では、『慰めの報酬』という日本語訳タイトルは言い得て妙なのではないでしょうか。(※原題は『Quantum of Solace』)