司馬遼太郎の歴史小説は割と好きで、一部ですが読んだことがあります。
その中でもやっぱり『燃えよ剣』——新撰組は歴史的にもロマンがありますよね〜!
ちなみに新撰組は元々逆賊として扱われがちだったようですが、この『燃えよ剣』原作小説を含むいくつかの作品の力によって、今日に至るまでの人気が決定づけられたそう。
そんな新撰組の鬼の副長、土方歳三。
歴史上の偉人として人気も高い彼を主役に置いた『燃えよ剣』は、実写映画としては1966年に公開されたものが最初にあり、そして2021年に岡田准一主演作が公開されました。
今回は2021年版をレビューしていきます!
2021年版映画『燃えよ剣』とは
土方歳三(岡田准一)が「バラガキ」と呼ばれていた頃から始まり、京へ出て新撰組を結成し、そして箱館戦争で散りゆくまでの一連の流れを描いています。
近藤や沖田を喪い、それでも己の信念によって戦い続けた土方が、最後に己の半生を振り返るような形で話が進んでいく今作。
池田屋事件や蛤御門の変、そして大政奉還からの戊辰戦争…。最期は函館の地での戦いですね。
まさに変革の時代を駆け抜けた土方歳三を表すかのように、スピーディーに進む展開となっています。
ちょっと物足りなさはあるかも
ただ個人的には、駆け足すぎて単なる説明映画になってるような気がしてなりませんでした。
目を見張るような大立ち回りやエンターテイメント的要素があるわけでもなく、ただ粛々と事が進んでいくと言いますか。
「史実」(あるいは「原作小説の内容」)に沿って作られた感。演技している感。そんな印象を受けました。
そして結末もあまりに呆気ない。
これだけ取り上げた「土方歳三」という男の生き様なのに、最期の瞬間はたった数分。そしてエンドロールへ。
時間足りなかったのか?と思わざるを得ないほどに呆気ないです。
ちょっと期待してたんですけどね……。
全体的な構成、盛り上がり、演技力などなど、個人的には不完全燃焼で終わった感のある映画でした。
でも山田涼介の沖田総司は割と好きかも?
まさに「沖田」のイメージに合う演技だったな〜と思います。