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『20代で得た知見』。
わたしはこの本を初めて読んだ時、猛烈な嫉妬に襲われたのを覚えています。
知見の内容についてももちろんなのですが、何よりそれをここまで
『唯一無二の自分の言葉で言語化成しうる』
ことそのものに。
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タイトルに20代とあるので、「若い子が自分酔いで得た知見か?」といった風に読む前も読んだ後も嫌厭する人はいそうな気はします。
実際、レビューを見る限りでは「30代だし響かなかった」みたいに書いている人もいました。
この本が刺さらないのは、恐らく社会にうまく適合しているタイプの人間ではないでしょうか。
自分はこうと疑わず、社会と自分の周辺を是として生きる人。
あるいは、ビジネス書のようなデータを元に理論仕立てで書かれているようなお堅いものしか信じないと言う人。
それはそれであなたの人生なので、別に良いと思います。
ただまあ、
「メンヘラかよ」
と嘲笑う人はただただ残酷だし、他者を理解しようとしないという点で人間としての何かが欠けているタイプなんだろうなと思うなどはしました。
まあ、要はわたしは社会不適合者なのでこの本がそれはもう刺さりましたということです。
でも実際読んでいて、それこそそこらのビジネス系自己啓発書に書いてあるような知見も普通に書かれていたので、これ一冊持っていれば他の自己啓発書は要らないんじゃないかとすら思えたりして。
例えば一昨日書いたばかりの才能の話についても、この本では下記の通り書かれています。
ひとつめは、なにかを「嫌いだ」「下手だ」と気づくことは才能です。もっと言えば「どうしてこの人はこんな簡単なことができないんだろう」と思うことは、あなたの得意分野である。才能はそれを持つ本人が最も気づきにくい形をしている。
一昨日の記事で書いた本では才能を「つい、やってしまうこと」と定義していました。
それに気づくためのワークとして、『「他人にイライラすることは?」といった質問に答える』というのがあったので、根本的には同じ意味合いなんですよね。
若い子が「エモい」と言うような綺麗事ばかり集めた本ではないんですよと言っておきます。
作中にわたしが好きな言葉は結構あるのですが、その内の一つを引用させていただいて、今日の記事を締めようと思います。
「死にたくなったら、寝ろ。寝られなかったら、朝焼けを見に行け」と教えてくれたのは現代国語の先生でした。「もし心が先に死んでしまいそうなら、カメラを持ち歩け。外の世界への内面の感度を、強制的に上げろ」と教えてくれたのは職場の先輩でした。
彼らの台詞を思い出す度、私は嬉しくなる。「それでも人間はしぶとく生きる、だから安心しろ。そして、絶望しろ」と言われているようで。
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