最近は個人的な勉強の方に時間を割いているので、読書が遅々として進まず…。
代わりに映画ばかり流しています。
『プリデスティネーション』。
イーサン・ホーク主演のSFサスペンス映画です。
『ターミネーター』と言い、最近こういうタイムパラドックス映画ばっかり観てますねわたしは…。無意識でした…。
この『プリデスティネーション』、初めて観た時は衝撃でしたよね。いや本当に。
!この先、映画の内容の重大なネタバレが含まれます!
とあるビルで爆弾を処理しようとする男。
しかし爆弾魔に妨害され、顔に大火傷を負いながらも命からがら生き延びます。
その男は、時空を超え犯罪を防がんとする時空警察官でした。
大怪我を負いながらも未来へと戻った男は組織の治療を受け、結果として顔は変わってしまったものの、快復し最後の任務のために過去へ向かうこととなります。
自身の後継者となる、一人の青年を迎えに行くという任務に。
***
この作品は複数の人物が登場します。
まず一人目は冒頭の時空警察官の男(イーサン・ホーク)。
二人目は、時空警察官が迎えに行く後継者の青年、ジョン。
このジョンは今でこそ男性として生きていますが、実は以前は普通の女性(ジェーン)でした。
身寄りがなく孤児院で育ったジェーンですが、ある男性と出会ったことで子どもを妊娠し、無事出産します。
しかしその出産の際にある事実が判明します。ジェーンは女性としての器官と男性としての器官、両方を併せ持った特異体質だったのです。
そして出産の際に未熟だった女性の器官がダメージを受けて摘出せざるを得なくなり、代わりに男性としての器官を表に出すことで命を繋いだのだと。
性を変えざるを得ない状況に追い込まれたジェーンですが、覚悟を決めて本格的な手術を受けることになります。そうしてジェーンは“ジョン”になり、今に至るわけです。
***
ぶっちゃけます。
恐ろしいことにこの映画、出てくる主要人物がほぼ同一人物なんですよね。
説明するとめちゃくちゃ長くなるので、気になる方はぜひ映画を観ていただきたいのですが…。
簡単に言えば、ジョンが迎えにきた時空警察官と共に「自分がジェーンだった過去」に飛ぶのですが、そこで改めて客観的にジェーン(※過去の自分)を見て、男として彼女と恋に落ちます。
そうして生まれた赤ん坊は時空警察官の手によって密かに過去へと送られてしまい、身寄りのない子として孤児院で育ち…。
はい、お分かりかと思いますが。この赤ん坊こそがジェーンです。
ジョンは性転換手術を受ける前の自分であるジェーンと恋に落ち、ジェーンは赤ん坊を出産しますが、その影響でジェーンは性転換手術を受けざるを得なくなり、最終的にはジョンとなります。
更にはその赤ん坊は過去に送られてジェーンとして成長し、ジョンと出会って恋に落ち…。
すごくないですこの設定??
全て自分。本当にこんなことがありうるのか…。
しかもまだありますからね。
結局全てを知ったジョンはジェーンと別れて時空警察官と共に未来へと飛び、そこで自分も彼の後継として時空警察官になります。
はい、もうお分かりですね。時空警察官=未来のジョンです。
すごくないです???全て自分ですよ。
時間軸的にどうなの!?!?って感じなんですが…そもそもが全て自分から生まれている以上、ジョン=ジェーンの中で過去と未来を巡っているだけなんですよね…。
そしてその原因を作っているのも自分。
正に鶏が先か、卵が先か。
…更に言うなれば、まだ衝撃は残っていますからね、この映画…。
果たしてどこから始まったのか。
単なるループ映画なんて言葉では片付けられず、あまりに繋ぎ目が滑らかで、それでいてどことなく複雑な心境にさせられる面白い映画です。