自分のKindle本リストを何気なく見ていて、ふと目についたこの絵本。
『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議での、ウルグアイ元大統領ホセ・ムヒカ氏のスピーチを子ども向けに意訳した絵本です。
この国際会議は地球環境の未来について話し合うためのものでしたが、各国が意見を述べたところでこれと言った名案は出ないままでした。
会議も終わりに近づいたところで、南米の国ウルグアイの大統領(当時)、ホセ・ムヒカ氏が壇上に立ちました。
質素な背広にネクタイなしのシャツ姿。
世界でいちばん貧しい大統領と言われている彼に、当初はそれほど関心を持たれていないようでしたが、最終的にはそのスピーチは人々の心を打ち、話題になりました。
当時のことを覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
わたし自身、「働く」ということについて。そして「自分のしあわせ」について考えることが増えました。
いま改めて読み返してみて、「ああ、まさしくこの通りなのだ」と胸を打たれたので共有します。
わたしは仕事を辞めてから、ようやく自分について見直すことが叶いました。
正社員として務めていた頃は、人件費削減・業績不振によるしわ寄せ・業務負担が続き、心身ともに疲弊していました。
「大丈夫?」と聞かれて(大丈夫じゃないです)とは言えず、「大丈夫です」と嘘をついて自分を麻痺させ続けた結果、最終的に会社が吸収合併により無くなることが決定し、そこでぷつりと糸が切れて会社を辞めました。
そこまできてようやく、「わたしはどうしたいんだろう」と考えられるようになったのです。
わたし自身、これまで色々と自己啓発本と呼ばれるものを読んできました。
『やりたいことの見つけ方』
『自分の幸せを見つける方法』
『自分を変える考え方』
そんな感じの本を読み漁って、手帳を使いながら自分が感じたことを記録し、本当に亀のようなペースで凝りに凝り固まった自分の思い込みをほどき。
散々時間をかけてようやく、「自分のしあわせ」が見えつつあります。
***
人より豊かになるために、情けようしゃのない競争をくりひろげる世界にいながら、「心をひとつに、みんないっしょに」などという話しができるのでしょうか。だれもが持っているはずの、家族や友人や他人を思いやる気持ちは、どこにいってしまったのでしょうか。
(中略)
すなおに考えてみましょう。わたしたちは発展するためにこの世に生まれてきたのではありません。この惑星に、幸せになろうと思って生まれてきたのです。
(中略)
水不足や環境の悪化が、いまある危機の原因ではないのです。ほんとうの原因は、わたしたちがめざしてきた幸せの中身にあるのです。見直さなくてはならないのは、わたしたち自身の生き方なのです。
——『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』
ホセ・ムヒカ、くさばよしみ、中川学 著(敬称略)
本文の引用です。絵本なので子ども向けに意訳されてはいますが、実際のスピーチの内容であることに変わりはありません。
改めて読んでみて「ああ、本当にこの通りだ」と思いました。
わたしがこの本を買ったのはずいぶん前ですが、あの頃からすでに言われていたことだったんだな、と。
当時は「刺さるなぁ〜」くらいにしか考えられなかったなと、今となっては思います。
▼ムヒカ大統領の当時のスピーチはこちらでも読めます。
自分のしあわせは自分で見つけるしかありません。
他人に叶えてもらおうとすると、必ずどこかで歪みや違和感が生じるからです。
この記事を読んでくださっているみなさまも、改めて考えてみませんか?
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▼ちなみにnoteではわたし自身が感じたこと、手帳の使い方等についてのパーソナルなエッセイを書いています。よろしければこちらもぜひ。
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