いしかわゆきさんの『書く習慣』。
当時、発売されてからじわじわ話題になり何気に売れ続けていた本だったような。
しばらくは必ず面陳(棚に差すのではなく表紙が見えるように並べること)あるいは平積み(文字通り台の上に積み上げること)されてたような気がします。
それもそのはず。
これまで文章の書き方、と言うと構成だのテクニックだの…小難しい本も多かったと思うのですが、この『書く習慣』はとにかくゆるい。
技術面(書き方のノウハウ)に関してはほとんど触れられていません。
どちらかと言えば書く内容について、あるいは考え方や捉え方の面での話をされています。
けれど、これを読めば誰でも書けるようになる。
ありそうでなかった本です。
わたしが初めてこの本を読んだ時に、すごく心に残って自分が書く時も改めて意識するようになったことがあります。
それは固有名詞の説明について。
例えばわたしがこことは全然違う場所で「『のてライフ』でこんなこと書いたんです〜」と言っても、わたしのブログのことを知らない人からしてみれば「のて……何?」ってなるじゃないですか。
だからそういう時は、「『のてライフ』っていう、わたしが毎日書いてるブログがあるんですけど…」という形で始めれば相手もわかりやすいですよね。
わたしにとっては当たり前でも、他人にとってはそうではない。
これまでずっと、何かを書くにあたって“わかりやすい文章”になるよう個人的に努めてはきたので…無意識のうちに似たようなことはやっていたかもしれません。
しかし、この本を読んでからは改めて意識的にそう書くことを心がけるようになりました。
***
また、多くのブロガーやライターは、SEOライティングと呼ばれるGoogleなどの検索エンジンで検索上位に表示されるためのテクニックを意識すると思います。
しかし、いしかわゆきさんはこれを「好きになれない」と正直に言葉にしています。
何故なら「それっぽいことが書いてあるけど、書き手が見えてこない」(『書く習慣』より)から。
今では「何が書かれているか」より「誰が書いているか」の方が大事になってきているそう。
例えばあるカップラーメンを買うにあたって、美味しいかどうかを口コミで見つつ吟味して買う買わないを決めるかもしれませんが、料理系インフルエンサーが紹介していたとしたらそれだけで買っちゃいますよね。
誰が発信しているか?というのが重要だということがわかります。
全体的にわかりやすく、いしかわゆきさんの実経験と合わせて「書くこと」について書かれています。
とても読みやすいので、ブログもですし、noteもですし…はたまたSNSでもアナログ手帳でも、とにかくちょっとでも何かしら書いてみたいと思う方にはおすすめの本です!