昔から星空を眺めるのが好きでした。
今でも夜、外を歩く時は上を見上げて星や月を探してしまいます。
…とは言え、わたしはどうにも理系というたちではなく…ご覧の通りの文系。
宇宙のロマンについて気にはなるものの、やはり解説書のようなものは理解する前に目が滑ってしまって。
この『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』は、そんなわたしでも面白く、楽しく読める、宇宙についての読み物でした。
それこそ学生の頃に習った最低限の知識程度で読めるのです。
なぜ文系のわたしでも面白く宇宙の話が読めたかと言うと、恐らく難しい数値だったり用語だったりを“自分ごと”に置き換え、噛み砕いて語ってくれているからなんですね。
宇宙の始まりから、太陽と地球の誕生、恐竜の絶滅、そしてわたしたちが生きている今この瞬間までの時間の流れを一年に例えてみたり。
太陽と月と地球の距離を近所への移動時間に例えてみたり。
地球を地球儀のサイズに例えるならば、月はカラーボールだし、人間は微生物だったりして。
スケールが大きすぎてイメージしづらい宇宙のことを、身近でよく知っている範囲のことにまで落とし込んでくれている本なのです。
語り口の柔らかさもあって、面白く、かつわかりやすく読むことができました。
そして睡眠導入にも最適です。笑
『夜、寝る前に読みたい』の名の通り、本を読み、壮大な宇宙について思いを馳せながら眠るなんて贅沢だなぁ…なんて思ったりして。
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子どもの頃、冬の流星群の時に妹と一緒に夜空を見上げたことを覚えています。
マンションの一階に住んでいたので、庭から外に出て敷地を囲う塀の上に二人で腰掛け、絶え間なく降り続ける流れ星を眺めたのです。
塀から落ちないように、風邪をひかないように、五歳下の妹をうかがいながら寄り添って天体観測を楽しみました。
生まれて初めて「天体イベント」を自ら意識し、この目で天体観測をした日でした。
あの時のワクワクが今でも忘れられません。
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わたしは今の自分の生きづらさをどうにかしたくて、本を読むことも多いです。
すると自己啓発本なんかでは宇宙だの神様だのが出てくることも少なくはないんですね。
でもそんなこと言われても、なかなか実感できないじゃないですか。宇宙とか神様って身近なものではありませんし。
ただ、確かに科学的にも人間は宇宙の一部だとも言われているわけで。
それなら自分が納得できるまで、科学的に解明されていることを知識として入れてみようと、まずは導入としてこの本を手に取りました。
少しだけ、宇宙と自分について実感が持てたような気がします。