美しい星空写真を撮影されていることなどで有名なKAGAYAさん。
そんなKAGAYAさんのフォト＆エッセイ本『一瞬の宇宙』。
出版は2018年と少し前ですが、今でもずっとわたしの大好きな本です。
この本では、KAGAYAさんがこれまで「撮りたい」と思った風景を撮りに行くにあたって、各地で体験されたことについて綴られています。
そのひとつひとつが本当に奇跡のような一瞬で、もちろん全てがこういうことばかりではないとは思うのですが、だからこそとても尊いものだと思うのです。
まさに『一瞬の宇宙』。
そんな素敵な体験のお裾分けを頂いているような、そういう気分にさせてくれる本です。
＊＊＊
心に残ったのが、
わたしは、現場に行って自ら体験することばかりがいいとは思っていません。今この一瞬の宇宙の、世界のどこかにそんな光景が実際にあるんだということを「知る」ことで、そこに想いを馳せることができる。
（中略）
こういう世界があるんだ、という知識を元に想像すると、実際に行くことができないミクロの世界や遠い宇宙の天体までも想いを巡らせることができます。これが本当に「世界が広がる」ということなのだと思います。
——『一瞬の宇宙』KAGAYA著（敬称略）
というところ。
「実際に体験しろ」「行動しろ」という声も多い中で、こんな風に言ってくださることは、わたしにとって救いになりました。
ああ、大丈夫、わたしの世界はちゃんと広がっている。
何も変わっていないことはないんだ、って。
＊＊＊
間に挟まれる写真も当然ながらとても美しく。
文章もKAGAYAさんのお人柄がわかるようなやさしい文章です。
（ワッフルのくぼみ全てを大好きなメープルシロップで埋めたシーンは何度読んでも笑ってしまいます…）
『一瞬の宇宙』、大好きな本です。
写真展やプラネタリウムにも行ってみたいなぁ…。（いつも機会を逃してしまう…）
