ついに読みました。『世界でいちばん透きとおった物語』。
発売されてからというもの、各所で随分と話題になり…電子書籍化不可能、とまで謳われた小説。
わたしもずっと気になってはいたのですが、新潮文庫nexと言うとライト寄りのレーベルなんですよね。
しかも実際に手に取ってみると、薄い。これに絶賛されるほどの読み応えというものがあるのか…?
ライト文芸はもちろん読みやすいですし、普通に面白くもあるんですが、ただまあ何と言うか…「若いな……」という感じがしてしまうと言うか。
わたしはもちろん作家ではないので、偉そうなことを言える立場でもないのですが…こういったものは筆致のライトさゆえに、読んでいて何だか気恥ずかしくなってくるんですよね。
大人になってから若い子のやんちゃやあるあるを見ると、「自分もあんな時があったなぁ…」なんて微笑ましいような、今となっては恥ずかしいような…そんな思いに駆られますよね。あれに近い。
そういったこともあって、個人的には手に取りにくくて。
けれど、わたしがこのブログを書き始めるきっかけにもなった井上新八さん。
その井上さんがnoteでこの本を紹介されているのを見て、ならばわたしもと読んでみることにしたのです。
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確かにこれは電子書籍化不可能だ。衝撃のラスト。
これはまさに紙の本でしか味わえない読書体験。
全てを把握した時、「なるほど」と自然に漏れる声を止められなかった。
あえて、細かいことは言わないようにします。
確かに言えることはあるのだけど、多分この本に関してはそういった部分はさしたる問題じゃないんです。
これはきちんと最後まで読んだからこそ、そう思えるんですよね。
あなたも、ぜひ。