『ナナメの夕暮れ』読了しました。
お笑いや芸人に全くと言っていいほど興味のないわたしでも知っている、オードリー若林さんの本。
もう何と言うか、言葉が出てこない本でした。
何でこれが書けるの?
「要は芸人さんの苦労話でも書かれてるんでしょ」
そう思っていた自分を殴りたいです。
「刺さった」と言えば聞こえはいいですが、これはそんなありきたりな言葉で片付けていいものではない気がします。
わたしが想像していたような「芸人さんの苦労話」ではなく、ただただひたすら若林さんが自分と向き合うエッセイ本。
そこには無闇に誰かを貶したり下げたりはなく(暴言のノリはあるけど)、自分の中に湧き起こる感情に疑問を抱き、考える。そんな本です。
その“湧き起こる感情”が、きっと多くの人に覚えがあるであろう感情なんですよ。
周りに言うわけではないけれど、確かに自分の中にあるもの。持て余しがちなもの。目を背けたくなるもの。
でも若林さんはそれについてひたすら考えている。そして何かしらの答えを出している。
それがわたしにとっても救いになるような感じもあるけれど、でもきっと若林さんは「誰かを救いたい!」なんて高尚な気持ちで書いているわけではないんだろうな、と。
ただ「俺もこんな気持ちだよ」と明らかにし、立てた膝に顔を埋める人の隣で独り言を口にしているような。それで自分と同じような人が少しでも楽になればいいと願いながら。
そんな感じがしました。
東大生が「人生が変わった1冊」と言うのも分かりますよこれは……。
少なくとも、単なるエッセイ本で終わらせていいようなものではないと思います。
これは後日、noteの方にも書こうかな…。