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スーパーマンの誕生秘話『マン・オブ・スティール』

 

『マン・オブ・スティール』。

『ダークナイト』シリーズのクリストファー・ノーラン氏が製作を、『300(スリーハンドレッド)』のザック・スナイダー氏が監督を務めた、アメコミヒーローの原点であるスーパーマンの誕生を描いた作品です。

 

先日のブログで書いたM:Iにヘンリー・カヴィルが出演していたので、やはりこちらも観たくなってしまい…。しかも昨日はテレビで『300』もやってたんですよね…何という偶然。

 

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実を言うと、わたしはDCならバットマンとワンダーウーマン派です。

なので正直スーパーマンはそこまで…といった感じではあるんですよね。

(ちなみにマーベルだとアイアンマンの過激派です)

 

しかし、やはりそこはノーラン氏とスナイダー氏。

スーパーマンにそれほど興味がなくても面白いんですよこれが。もう最高。

 

タイトルが『マン・オブ・スティール』なのも良いんですよね。スーパーマンと

いう単語は入っていないけれど、スーパーマンを表す言葉。

この表現力よ…こんなに短いタイトルの一文だけで色々なニュアンスを表現してしまうこの表現力。さすがとしか言いようがない。

 

 

映像としてはクリプトンの技術の描き方が好きです。

例えば『スター・トレック』みたいに近未来!ピカピカツルツル!という感じではなく、どことなく鈍く、渋いデザイン。どっしりしていると言うか…質実剛健?みたいな。

 

宇宙船はもちろんのこと、ワールド・エンジンだのジェネシス・チェンバーだのあれだけの技術力を有しながら、古代生物チックな飛行生物も乗り物として実存しているクリプトン星。それがまた絶妙に渋くて良いんですよねぇ…。

 

そもそも全体的な画としても色彩が渋めですよね。それがまたスーパーマン誕生にまつわる重厚なストーリーとも合っているわけですが。

ちなみにスーパーマンのピチピチスーツも渋め。スーパーマンと言えばあのパキッとした青スーツに赤パンツ!って感じですが、そんなイメージとはかけ離れています。そもそも素材もアーマーっぽいですしね。従来のタイツっぽさはあまり感じられず。

…が、その中で靡く赤マントは妙に鮮やかに見えて、目を奪われる。ひと目でスーパーマンだ、とわかる。このデザイン力よ…上手いなぁ…。

 

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それにしてもラッセル・クロウ……!イケオジが過ぎる……。

今作ではスーパーマンの父親として登場します。クリプトン星が滅んだ後も要所要所で道を示してくれる素敵なお父さん…。とても良い役どころなんですよね。

あと地味に強い。科学者なのに。将軍を圧倒してるの笑うんですが。

 

もちろん、地球での育ての親として登場するケビン・コスナーもとても良い役をしています。自分の力に思い悩むスーパーマン=クラークに対し、文字通り命を賭して己の力の使い方(使いどころ)・生き方を教えたお父さん。

 

本当に二つの意味でいい両親に恵まれてますよね、スーパーマン…だからこそ重みが半端ない。

理性的かつ達観していて、心身ともに成熟した感じ。しかしながら、己は地球人ではなく超越した力を持っているという絶対的な自信。

地球人より上位の存在であるという驕りのようなものが垣間見えなくもない辺りが、絶妙な描き方をしているな、と。(その理由としてはもちろん、過去の経験もあるのでしょうが)

 

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戦闘・アクションについてはツッコミどころ多し。映像としてはすごいんですが…。

何せめちゃめちゃ壊してるんですよ、街を……そりゃバットマンもブチギレますわ(※『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』参照)

 

マーベルでも『シビル・ウォー』でこの辺りを取り上げられましたが、ヒーローが活躍するのはいいものの、その戦いで破壊される街や建物、そして巻き込まれる一般人はたまったものじゃないですよね。

確かに地球が滅びるよりはいいですよ。生き残ることができたなら、それこそ命あっての物種ってやつです。

しかし生き残ってしまったなら、その後も生きていかなければならない。生活しなければならない。脅威は去った!めでたしめでたし☆とはいかないわけですよ…人間の心理として、誰が保証してくれるんだ?ってなるわけですよ…。

ジレンマってやつですよねぇ…答えが出せない問題だ。

 

***

 

最後、唯一のクリプトン人となってしまったゾッドを殺した時のスーパーマンの慟哭も切ないですよね。

クリプトン人の命の根源であるジェネシス・チェンバーも破壊してしまったし、これで本当に唯一の存在になってしまったわけで。

育ての母親は存命だし、愛する人もいる。独りではないけれど、本当の意味での同胞はいない。

そう考えると切なさの残る結末です。

 

 

このまま、こう…スーパーマン単体としてお話が続いてくれたら良かったな、と思うんですよね。

この後すぐにバットマンやワンダーウーマンが絡んでしまって、ジャスティス・リーグが来てしまったので。

もう少しこの重厚なスーパーマンとしての物語を展開してからパーティー映画になってほしかったな…マーベルみたいに…そうしたらもっと深みも出たのでは、とか…。

(マーベルは時系列的に『アイアンマン』※ヒーローの誕生→『アイアンマン2』※ヒーローの葛藤→『アベンジャーズ』※ヒーロー大集合、だったので)

 

この『マン・オブ・スティール』が良かっただけに、この後の展開の仕方が惜しく思えてなりません。

 

***

 

それにしても、今作も音楽がいい…と思ったらノーラン監督作品でも有名なハンス・ジマー氏が手がけていらっしゃるんですね。

『ダークナイト』シリーズの重厚感、低音の響きなんかめちゃめちゃ良くて大好きなんですが…改めて作曲作品を見てみたら、好きな作品ばかりでびっくり。ロバート・ダウニーJr.主演の『シャーロック・ホームズ』もだったのか…!

 

そりゃ好みドンピシャなわけですよ…びっくりした……お名前、ちゃんと覚えておこう…。