X(旧Twitter)を眺めていて、不意に流れてきた短歌。
そのたった一行の言葉に魅せられて、即座に予約した中村森さんの『太陽帆船』が先日発売となりました。
帆を揚げる 会いたい人に会いに行くそれはほとんど生きる決意だ
——『太陽帆船』中村森 著(敬称略)
帯にも書かれ、この歌集の代名詞とも言える歌。
こんなにも、抽象的かつ感傷的に、感情をあらわす言葉を紡ぐことができるなんて。
歌人と呼ばれる方々が見ている世界はどんなものだろうと、つくづく思うわけですよ。
ただひとつ思うのは、なんて自由なんだろうということ。
感情を持つことも、考えることも、表現することも。全てにおいて自由。
「ああしなければいけない」「こうしなければいけない」
社会において囚われがちな、誰が決めたかもわからないような固定観念なんてものはそこになく。
ただただ自由だなと思ったのです。
百年後、朝の海辺で待ってます。この約束を愛と言いたい
——『太陽帆船』中村森 著(敬称略)
1ページずつ、噛み締めるように味わいたい。
寄せては返す感情の波に沈みたい。
そんな歌集でした。